とあるウォンバット研究者の数奇な人生

とあるウォンバット研究者の数奇な人生

オーストラリアでウォンバットの病気の研究をするというあまりにも数奇な人生を選んだ日本人のお話。

ウォンバットという生き物 (前編)

 

ウォンバットという生き物を知っていますか?

最近では日本のテレビでも特集されたりして、昔と比べると少し認知度も上がったのかも知れない。

人によっては

「あぁー!あのズングリムックリした可愛いモフモフの生き物でしょ!知ってるゥ↑↑」

ってなってるかも方もいるかと思います。

そうです。ズングリムックリした可愛いモフモフの生き物です。だいたい合ってます。

見た目はこんな感じ。

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初めて見た人は

「はえー思ったよりズングリムックリでモフモフしてそうな生き物だなぁー!」

って思ってることでしょう。

そんなズングリムックリでモフモフなウォンバットという生き物を、専門家として分かりやすく、そして面白おかしく紹介していこうというのが本記事のテーマでございます。

あ、考え始めたら意外と書くことが多くなりそうなので、前編と後編に分けて、前編は

  • ウォンバットは何の仲間?
  • ウォンバットの穴掘り

の2つに焦点を当ててみようかと思います。

それではどうぞ!

 

 

  1. ウォンバットは何の仲間?

ウォンバット、大人の体調は約1メートル、重さ30㎏ぐらい。

見た目的にはビーバーとかカピバラに似てますよねぇ。

実際にYah〇o知恵袋では「近所の川を野生化したウォンバットが歩いてる!」という質問を見かけました。たぶんそれ、ヌートリアです。げっ歯類です。

でも分かるよ。確かに似てるもの。

ウォンバットはオーストラリアに住んでいます。そしてオーストラリアと言えばカンガルーやコアラが有名ですね。

そう、ウォンバットも彼らと同じようにポケットで子供を育てる「有袋類」です。

でもちょっと違うのがカンガルーなどと違って、ウォンバットのポケットは後ろ向きに付いてるんです。

なんでかって?

ウォンバットは穴を掘る最大の動物として知られています。「そんなに掘る?」ってぐらい掘ります。

もしポケットが前向きに付いてると、穴掘りの時に掘った土がポケットに入っちゃうでしょ?

それじゃあ後ろ向きに付けちゃいましょうよ、という斬新な進化を遂げました。

 

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Maria Island Walk: https://www.mariaislandwalk.com.au/5-facts-you-probably-didnt-know-about-wombats/joey-pouch/



でもこんな風に付いてるので、子供がポケットから顔を出してるときに上からウンチが降ってきたりします。

うーーん、不器用だ。。。(笑)

まぁ紆余曲折ありながらも、ポケットがあるので有袋類の仲間です。

そして進化系統的に一番近いのはコアラです。顔、ちょっと似てるでしょ?

 

  1. ウォンバットの穴掘り

先程、ウォンバットは「そんなに掘る?」ってぐらい穴を掘ると言いましたが、もう本当にすごいです。長いものでは全長20m近くにもなり、僕らの家と同じように寝室、トイレ、台所、リビングなどなど用途に合わせたお部屋があります。

その証拠に、見てこの爪!


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僕ももちろん引っ搔かれたことがあるんですが、めちゃくちゃ痛いです。ちょっと血ぃ出ましたからね。

 

そんなウォンバットが頑張って掘った穴ですが、結構いろいろ考えてあるんです。

例えば、こんな風に段差になっているため雨が降っても水が巣の奥の方まで入ってこないんです。だから天気の悪い日は台所に蓄えておいた草でも食べながらむにゃむにゃしてればいいのです。

あんなに不器用そうなのに意外と賢いじゃないのぉ。

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Diagrammatic cross-section of a typical medium or major burrow excavated into a slope.

Redrawn from McIlroy (1972)


しかもしかも、穴の中の温度は1年中ほぼ一定で、外の気温が極寒の0℃になろうと灼熱の40℃になろうと、だいたい15~20℃ぐらいに保たれてます。

これ結構すごくないですか?

つまりまとめると、穴掘りをする最大の動物であるウォンバットにとって、この「穴を掘る」という行動はめちゃくちゃ大事で、穴の掘り方を知らないウォンバットは野生で生きていけないのです。

 

どうでしょうか!ウォンバットうんちく、楽しんでもらえてるといいなぁ。

あんまり長すぎると全部読んでもらえなさそうなので、とりあえず前編はここまで!

後編ももお楽しみに!!!

 

wombat-suki-life.hatenablog.com