とあるウォンバット研究者の数奇な人生

とあるウォンバット研究者の数奇な人生

オーストラリアでウォンバットの病気の研究をするというあまりにも数奇な人生を選んだ日本人のお話。

初めまして~数奇な人生を選んだウォンバット研究者の自己紹介~

ウォンバットという生き物を知っていますか?

最近では日本のテレビでも特集されたりして、昔と比べると少し認知度も上がったのかも知れない。

かと思えば、あるネット記事では「げっ歯類」と紹介されていたりして、日本ではまだまだ謎の生物というジャンルなのかもと思ったりする。

このブログは

オーストラリアでウォンバットの研究をすることになったある日本人の数奇な体験の記録である。

 

 

  • 自己紹介

こんな感じでちょっとカッコよく始まりましたが、まぁブログを始めるにあたってやっぱり自己紹介をしないのはちょっとあれかなぁと思うので、最初の記事はサクッと僕がどんな人かを知ってもらおうかと考えております!

簡単な経歴から言うと、

日本で高校卒業

   ↓

オーストラリア、タスマニア大学(動物学専攻)

   ↓

タスマニア大学 大学院 (生物科学部所属)

   ↓

メルボルンのIT企業 (NOW!)

   ↓

サンシャインコースト大学 PhD (バイオメディカル部所属)

という感じでしょうか。

オーストラリアには2012年に来たので、もう8年になるのかぁ。早いなぁ。

 

 

最初にウォンバット研究を始めたのは学部3年のころ。

生物疫学(Wildlife Disease)のスコット・カーバー博士の下で、ウォンバットの巣穴内の気温と外気の気温を季節と環境ごとにくらべたプロジェクトに携わったのが始まり。真夜中の国立公園、天の川が明るく感じるぐらいの暗闇で数百匹のワラビーに囲まれてウォンバットの巣穴を探したあの夜はマジで伝説です。。。

その研究についてまた今度詳しく書きますね!

 

学部が終わってからは、日本の院に行くことも視野に入れいくつかの研究室訪問もしたりしました。

そんな風に悩んでる時にスコットから「ウォンバットの病気に関する良いプロジェクトがあるんだけどどうや?」と言ってもらいタスマニア大学の大学院に進みました。

院での研究は本当に楽しかった!

ホバートの動物園や獣医さんたちとコラボしたり、オーストラリアのテレビや新聞で自分のプロジェクトを特集してもらったり、車でウォンバットを輸送したり(笑)、非常に刺激的な1年半でした!

 

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SUVのトランクで動物病院へ輸送されるウォンバットたち。(右がサッシー、左がローリー)

 なによりもね、自分の研究がウォンバットの保護の重要な役割を担っているのが感じられた、めちゃくちゃやりがいのあるプロジェクトだったのよ。

そして、その研究について詳しくはこちら。

wombat-suki-life.hatenablog.com

 

そのあとはメルボルンのIT企業でしばらく働きました。というか、今も働いてます。

これはもちろん動物とは全く関係のない仕事なんだけど結果的にとてもいい経験で、自分の人生においてもとても重要な1ページだなと確信しています。

メルボルンという都会で、いろんな人種やいろんな文化に囲まれ、素敵なチームメイトにも恵まれ、それはもう良い職場です。

 

だがしかしBUT!

何が起こるか分からないのがこの人生!

サンシャインコースト大学がウォンバットの病気のプロジェクトの研究員を募集しているのをたまたま発見し、「いかん、やらねばいかん、、、!!」という気持ちで応募したら幸運にもオファーをもらえたという次第でございます。

ちなみにプロジェクトのタイトルは

Controlling wombat mange by targeting scabies ligand-gated chloride channels

内容を簡単にまとめると、ウォンバットの病気を引き起こすダニの弱点を探そうぜ!的な感じです。

あ、そうそう。今何かと話題のPCR検査とかもやったりします。

もちろんすっごく楽しみだしワクワクはしてるんだけど、スコットには「PhDをやる人はだいたい途中からPhDのことが嫌いになるよ」と脅されているので、まぁ分かりやすくビビってます。それぐらい大変なんだろうなぁ。

このプロジェクトが本格的にスタートするのは9月。それまで準備をしっかりし、病気で苦しんでいるウォンバットを救うべく、そしてドクター・ウォンバットになるべく全力で頑張っていきたい所存です。

 

とまぁ、本当はもっと細かく説明したい事とか、話したいことがたくさんあるんだけど、最初の記事からあんまり長すぎると誰にも読んでもらえなさそうなので、こんな感じでザックリと自己紹介を兼ねた僕の略歴をまとめてみました。

ブログってこんな感じでいいのか探り探りなので、質問や感想や要望をいただけるとまた記事が書きやすくなるのでよろしくお願いします。

 

読んでくれてありがとう!次回の記事もお楽しみに!