とあるウォンバット研究者の数奇な人生

とあるウォンバット研究者の数奇な人生

オーストラリアでウォンバットの病気の研究をするというあまりにも数奇な人生を選んだ日本人のお話。

第五話(後編): ところで動物学ってどんなこと勉強するの?~タスマニア大学での生活~

 


事は前回の続きです。

つまり、

 

激闘!無人島サバイバル地獄の五泊六日ッ!!(後編)

これです。

 

前編はこちら。

wombat-suki-life.hatenablog.com

 

無類の動物好きの僕とは言え、さすがにこのときまで無人島で五泊六日なんて人生で一度もしたことがなかったわけです。

そんな感じだったので、それはもう慣れないことや驚いたことがたくさんありました。

今回はマライアアイランドの圧倒的な大自然の中でのキャンプ生活で起きた事件についていくつか相変わらずまとまりもなくつらつらとお話していこうかなと思っております。

 

というわけで、第五話ッ!後編ッ!Here We Go!! (マリオカート風に)

 

事件1.歯ブラシ

 

島まで向かう船の出る港まで、友人の運転する車に数人のうちの一人として乗せていってもらいました。

キャンプグッズと6日分の食料と着替えですからね、それはもう死ぬほど大荷物です。

その道中で僕は、大変なことに気付きました。

「あ、歯ブラシ忘れた。」

ありがとうございます。

この一言で車内みんなの爆笑をかっさらえました。(違う)

「いやいやマジかよ。無人島に歯ブラシは売ってねーべ?ww」

「最悪あれだな、葉っぱだ。葉っぱに歯磨き粉付けろ。www」

「いや血ぃ出るわwww」

とか言いながら大騒ぎしていましたが、幸いにも港の近くにヨッボヨボのおじいさんが経営してるボッロボロのコンビニがあり、そこで九死に一生を得ました。

まだ島にも着いてないことを最初に書いちゃってすいません。

 

 

事件2.シャンプー

 

島のキャンプサイトにて。

オレ「あ、シャンプー忘れた。」

友達「シャンプーは貸してあげるから使っていいよ。」

 

 

事件3.ウォンバット

 

これは事件とはちょっと違うかもしれませんが、この島、野生のウォンバットがそこら中にいらっしゃいます。

夜中とか、テントのすぐ外で草をムシャムシャしている音で目が覚めたりしました。

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※野生です。

あと、朝起きると「俺はウォンバットのトイレの上にテント立てちゃったのかな?」ってぐらい周りにすごい量のフンがしてありました。

臭くはないけど、嬉しくはないですねぇ。。。

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マジで四角いウォンバットのフン

でも親子ウォンバットとかはハチャメチャに可愛いので死ぬほど癒されます。

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事件4.ポッサム

 

シャワー・トイレ設備があるとは言え、夜の無人島です。

外灯もないので、頭に付けた懐中電灯と夜空に浮かぶ星たちが唯一の明かりです。

もちろん、シャワー室もトイレ内も電気はありません。

しかし、一日のフィールドワークでかいた汗を流さないわけにもいかないのです。

スッポンポンにサンダル+懐中電灯という、あまりにも、あまりにも滑稽な恰好で、真っ暗のシャワー室の中で一人の男が必死にシャンプーをするのです。

 

「あぁ帰りたいなァ。。。」

 

そんなことを思っていると、

 

「ガッシャン!!」

 

何か物が倒れた音がしました。

シャンプー中で目を開けるのにも苦戦しながら、恐る恐る物音のした方へ明かりを向けてみました。

 

そこにいたのは。。。

 

 

巨大なポッサムでした。

 

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Australian Geographic <https://www.australiangeographic.com.au/

 

マジで死ぬほどビックリしました。

 

ビックリしすぎて

「おわぁ」

とかいう情けない声を出してしまいました。

 

いかんせん裸だったし。。。

 

無人島!デンジャラス!

 

 

事件5.タスマニアデビル

 

マライアアイランドには2012年より、タスマニアデビルの個体数減少の最大の原因であるデビル顔面腫瘍性疾患 (DFTD)の対策プログラムとして多くの健康なデビルが移入されています。

本来野生で見るのが非常に難しいタスマニアデビルですが、この島では夜になるとあの悪魔のような雄たけびも聞こえてくるし、懐中電灯で照らすと結構そこらへんにいます。

 

 

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懐中電灯で必死に照らしながら友達とトランプをしていたある晩。

 

「うぉぉぉお!ソーセージ―ィ!!!」

 

という謎の叫び声がキャンプサイトにこだましました。

何事かと思いそこへ走っていき明かりで照らしてみると、ソーセージを加えたタスマニアデビルが彼のテントから出てきたではありませんか。

 

俺ら「wwwwwww」

笑うしかありません。

 

被害者本人は貴重な食料を奪われかなり落ち込んでいるかと思いきや、

誰よりも爆笑していました。。。

 

いろいろデンジャラス!!!(笑)

 

 

 

はい、ということでいろんな出来事がありました

「激闘!無人島サバイバル地獄の五泊六日ッ!!」

いかがだったでしょうか。

 

この国立公園、本当に美しい大自然があり、そこに生きる貴重な生物たちが素晴らしい生態系を形成しています。

 

この記事を通して伝えたいメッセージがひとつだけあります。

 

「Keep Wildlife Wild = 野生は野生のままに」

 

こんなに素敵な国立公園ですから、もちろん多くの観光客が訪れます。

しかし残念ながらゴミを持ち帰らなかったり、野生動物に触ったり、または食べ物をあげたりする人が一部ではありますがいるのも事実です。

 

ある日本人のブログでも、見かけました。

「島にいるウォンバットのおやつ用にニンジンを持ってきました!☆」

論外です。

 

あと、野生動物はだいたいバイキンや寄生虫が盛りだくさんです。

自分の健康のためにも、触ることはオススメしません。

 

なので皆さん、

「Keep Wildlife Wild」

これでよろしくお願いします。

 

この記事の締めとして、マライアアイランドの素敵な自然の景色の写真でお別れです。

 

この連載ももうすぐ終わりです。

いつも読んでくれてありがとう。

では、第六話でお会いしましょう。

 

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